「走れメロス」は日本の作家・太宰治が1947年に発表した短編小説です。

概要は以下の通りです。

• 主人公のメロスは、友人のセリヌンティウスから、死刑を宣告された自分の妻を救うため、馬に乗って1日で指定の場所に行くことを頼まれます。

• メロスは友情からその依頼を引き受けますが、行く途中で様々な障害にぶつかります。しかし決死の思いで駆け抜け、命からがら目的地にたどり着きます。

• しかし、そこでメロスが知ったのは、セリヌンティウスがずっと以前に処刑されていたこと、依頼自体が嘘だったことでした。

• メロスは絶望の中、自分が騙されたことに気づきますが、すでに手遅れでした。

この物語は、友情や勇気をテーマにしています。同時に、人は誰にだって騙される可能性があることを示唆しています。読者に対し、人間の弱さや無常さを考える機会を提供する名作だと言えます。

はい、「走れメロス」には太宰治自身による続編「メロスの杯」が存在します。

「メロスの杯」では、前作で絶望的な真実を知ったメロスが、人間不信に陥り、世界に対する憎しみからディオニュソスの宗教に身を投じます。酒と快楽に溺れ、やがては人肉食という極端な行為におよびます。

その後、メロスは故郷に戻り、昔の友人セリヌンティウスの墓前で、自分の犯した罪と迷いを告白します。最期にメロスはセリヌンティウスの墓に自らの血を注ぎ、罪滅ぼしの儀式を行ないます。

この続編では、最初の友情と絶望から、人間の心の闇や迷走へのテーマが描かれています。前作同様、人間の弱さが浮き彫りにされつつ、メロスの償いと救済を通して希望のメッセージも込められていると言えます。